招き猫の怪その2

ようそろ~お越しくださいました。

8月は4363名の方々が黒野のブログを過疎らないように巡回してくださいました。

ありがとーありがとーです。

両手で招くポーズをした招き猫。まあ色々福を招くんだろうと思いましたがお腹の部分に五銭と書かれていました。普通の招き猫っうて両とかだと思いますし、千客万来とか書いてあると思いますが、五銭というのが不思議でした。またこの招き猫に箱がついておりそこには寅ノ日作願と書いてありました。人の名前を書いてありました。そして箱の中にはこれは・・・と思うものが。黒い髪を赤い紐でしっかりと結んでありました何重にもぐるぐる巻きにされています。また糊か?膠かで固められたようです。

日本では何故か女性の体毛や髪の毛に不思議な力が宿ると信じられており、おそらく女性の髪の毛をぐるぐる巻きにしたものなのだろうと。なんで猫の毛じゃないのかな?と思いいましたが、よくよく見いせていただくと、女性の髪の毛だろうとおもわれるぐるぐる巻きの中に白い毛短い毛が混じってました。猫の毛だと思います。黒い髪に比べると短く細いのでおそらく猫だろうと思いました。また赤い紐のぐるぐる巻きに猫の爪がありました。

何のために作られたのか?この赤い紐でぐるぐる巻きの髪の毛や猫の毛や爪の目的は何だろう?と思いました。

そして持ち主さんは今まさに返品をするために古美術商のところに訪れており、不思議な体験をしたそうです。

飾ってしばらくすると、寝ていると猫の鳴き声がずーっとしている。最初は近所の野良猫だろうとおもったそうですが、耳元で聞こえて驚いたそうです。また何かぶつぶつという声が聞こえたりしたそうです。

ふと人類学者のフレイザーの定義した感染呪術をこのぐるぐる巻きの髪を見て思いました。フレイザーの定義した感染呪術は個人の髪や爪や歯を用いることで持ち主に影響を与えるという定義です。また日本でも妹の力(いものちから)という考えがあり女性の何かに力が宿るという話は柳田國男が論考していました。

猫の爪や毛を用いてかつ髪の毛を用いて一体何がしたかったんだろうか?さらに両手を挙げた招き猫。現持ち主さんがはっきり聞いた気持ち悪いという寝てる時の猫の声そして呟く声。

古美術商の方曰く銭が流通してたのは1953年まで。なのでそれ以前にあったということです。せめて何年か書いてあればいいのになぁと思いました。よくよく見ると書いてあるのですがその肝心なところが煤けて見えない。この煤を落としたら古美術としての価値が下がるとのことで落とさないわけです。

しかし持ち主に猫の声やなにかつぶやく声をもたらす招き猫は怖いものだと思います。招いているのが福とか運ではないことはたしかです。

返品が終わり箱の中に納められた招き猫。そしてもう次の買い手が決まっているという大人気さ。

後日古美術商の方がまた返品ですと電話にて知らせてくれたのでお話を伺いに出向きました。そこでこの持ち主さんの体験と仮説を聞いてなるほどと思いました。

続きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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